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雨漏りに気づいたらまずは応急処置をしましょう
こんにちは。外壁アドバイザーの後藤です。こちらを読まれている多くの方は、大事なお家が雨漏りをしているのを発見し、困っていらっしゃると思います。
この記事では、雨漏りが起こったときの正しい対策を誰にでもわかりやすく解説していきます。どれも1時間もあればできるカンタンな応急処置ですので、ぜひ参考にしてみてください。
さらに、番外編では賃貸やマンションにお住まいの方がするべき対処法についても紹介します。
こちらを読んで、大事なお家を正しい手順でしっかりと守っていきましょう。
雨漏りが起こりやすい4つの部位とその対処法
こちらでは雨漏りが起こりやすい部位とその対処法について解説していきます。雨漏りの対策でまずすべきことは、どの部位から雨漏りしているかを特定することです。雨漏り箇所を把握し、部位ごとでの適切な対処をすることで、一時的にでも悪化を防ぐことができます。
最終的な補修については、基本的に専門の業者にしてもらうことをおすすめしますが、その前に応急処置をしておくだけで二次災害の発生を遅らせることができますので、自分でできる範囲のことをしておきましょう。
また既に雨漏り箇所がわかっているという方は、対処法だけ見ていただき、実践していただいても問題ありません。
屋根
屋根の雨漏りの原因としては、主に以下の3つとなります。
まずは屋根本体ですが、これは特にスレート屋根で発生するケースが多いです。屋根材自体が劣化することで発生します。スレート屋根には基本的に塗装がされており、その塗装に防水性能があるため、通常は水を弾く状態になっています。これがメンテナンスをせず年数が経つと、塗装の防水性能が機能しなくなり、屋根材自体が水を吸うようになります。水を吸った屋根が乾くと、屋根が反ってきます。反ってくるとその隙間から雨水が侵入し、雨漏りにつながるのです。
また板金部分からの雨漏りも非常に多いです。板金は雨風の影響を受けやすい部分に取り付けられていることが多く、劣化もしやすいです。板金も経年劣化の影響で錆びたり、隙間が空いてくるとその中に水が入ってしまい、雨漏りの原因になることがあります。
最後は防水シートからの雨漏りです。防水シートは屋根材や板金の下に敷いてあり、最終的に室内への雨漏りを防いでくれています。屋根本体や板金部分から水が中に侵入していても、この防水シートが機能していれば、水が部屋の中まで入ってくることは基本ありません。逆に雨漏りが部屋の天井まで来ているときは、防水シートが機能していない可能性が高いです。
対処法
屋根の雨漏りを発見した際は、基本的にはすぐに専門の施工店に補修を依頼することをおすすめします。「自分で屋根に上って修理するからいい。」という方も中にいらっしゃいますが、経験がない方が、屋根に上って作業をするのは、非常に危険です。落下による死亡事故も多く発生しているので、屋根に上るのはできるだけ避けましょう。施工店の選び方については、記事の後で詳しく解説していきます。
ただ、天井から室内に水がポタポタ落ちてきている場合は、応急処置をしていきましょう。
必要なもの
- バケツ
- 雑巾、タオル
- ブルーシート
手順
- 雨漏り箇所にシートを敷く
- 水が垂れている箇所に雑巾を敷いたバケツを置く
以上の流れですので、すぐにできるかと思います。しかし、こちらも天井から水が漏れているということは、かなり状況が悪化している可能性が高いので、応急処置をしたら、施工店への補修を依頼しましょう。
壁
壁からの雨漏りのほとんどは壁と壁の間にあるコーキングの劣化によるものです。コーキングとはサイディング壁の接合部や、窓枠と壁をはり合わせる時に使用するゴムのような充填剤です。
防水機能がありますが、経年劣化とともに硬化することで、割れてきたりしてしまいます。また地震や台風などで、建物が揺れた際に接合部が動き、割れてしまうことが多いです。
対処法
こちらで2つの対処法をご紹介していきます。
①ブルーシートで覆う
一番カンタンな方法ではありますが、ブルーシートで覆うのは意外と効果的です。仮に雨漏り箇所が特定できない場合は、広範囲をブルーシートで覆い雨水の侵入を防ぎましょう。
必要なもの
- ブルーシート
- 防水テープ
手順
- ブルーシートを該当箇所に貼って一次的にテープで固定する
- しっかり淵をテープで止める
②防水テープで止める
こちらもカンタンではありますが、雨漏り箇所が明確に特定できている場合は非常に有効です。
必要なもの
- 防水テープ
手順
- 該当箇所に防水テープで止める
またこれ以外に、自分でコーキングを増し打ちをして、応急処置をするという選択肢もありますが、こちらは基本的にあまりおすすめしていません。原因箇所が確実にわかっていて、部分的に補修をすれば直る状況であれば、自分でやるのも問題はないですが、コーキングを一部補修したところで本当の原因がそこであるかを見分けるのは、一般の方ではかなり難しいです。
外壁アドバイザー
後藤
きちんと応急処置をしたら、後は施工店に見てもらいましょう。
ベランダ
ベランダからの雨漏りの主な原因は以下の3つです。
- ベランダの笠木部分の劣化による雨漏り
- 床の防水塗装の劣化による雨漏り
- 排水口からの雨漏り
- ベランダの笠木部分と壁の部分を繋ぐコーキングが劣化し、ひび割れを起こしたりすると、その部分から雨漏りを起こします。
またベランダの床には防水塗装(FRP、ウレタン塗装など)がしてあります。その塗装が劣化すると、ひび割れなどを起こし、その部分から雨漏りを起こします。
最後に排水口(ドレン)が詰まることによる雨漏りです。雨の日になるとベランダに水が溜まる場合は、排水口が詰まっている可能性が高いです。
対処法
こちらでは2つの対処法をお伝えしていきます。ただ基本的にベランダの雨漏りは原因が特定しづらいため、応急処置が済んだら専門の施工店に補修を依頼しましょう。
①防水テープで該当箇所を塞ぐ
必要なもの
- 防水テープ
②排水口の異物を取り除く
雨の日にベランダで水たまりができてしまっている場合は、排水口の掃除を行いましょう。
もし自分で取り除けない場合は、応急処置が難しいので、施工店に見てもらうことをおすすめします。
窓
窓からの雨漏りの原因はほとんどが、サッシ廻りのコーキングの劣化によるものです。
窓枠のコーキングにひびが入って、そこから雨漏りしている可能性が高いので、その際はすぐに応急処置をしましょう。
対処法
こちらも基本的には壁の応急処置と同様ですが、対処法を紹介します。
・ブルーシートで覆う
もし窓のどの箇所から雨漏りしているかがわからない場合は、ブルーシートで窓全体を覆うことで雨漏りを防ぎます。
必要なもの
- 防水テープ
- ブルーシート
手順
①ブルーシートを該当箇所に貼って一次的にテープで固定する
②画像のようにしっかり淵を止める
家の寿命が短くなる?雨漏りの二次災害
こちらでは雨漏りを放置しておくとどうなるのか、怖い二次災害についてご紹介します。
「しょせん雨漏りだから大したことはないだろう」
「うちは丈夫だから心配いらない」
と思っていらっしゃる方は非常に危険です。雨漏りは発見次第すぐに応急処置をして、施工店に修理を依頼するが鉄則です。こちらを参考に自分のお家ではそうならないようにしていきましょう。
考えられる雨漏りの二次災害
シロアリの発生
雨漏りが原因で中の支柱が湿って柔らかくなると、それはシロアリにとっては最適な繁殖環境となります。シロアリは湿った木を食べて繁殖するので、柱が脆くなり、倒壊のリスクが発生します。
漏電
ブレーカーやコードが塗れてしまうことで、漏電が発生するリスクが高まります。漏電すると、火災の発生や、感電による事故を引き起こしますので、注意が必要です。
健康被害
雨漏りが室内に発生している場合は、そこからカビやコケが室内に生えることで、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。特にお子様やアレルギー体質のある方がいらっしゃる場合は、要注意です。
得意・不得意がある? 業者選びの2つのポイント
「応急処置をして一旦は大丈夫だが、すぐに施工店に見に来てもらいたい。」
「ただ、どういった施工店にお願いするべきかわからない。」
という方も非常に多いと思います。
実は施工店によって施工内容の得意不得意は変わってきます。外装専門の施工店でも雨漏り補修はそこまで経験がない、というパターンもあります。こちらでは、どういった施工店に依頼をするべきなのか、業者選びのポイントを紹介していきます。
①複数の施工店で相見積もりを取って比較する
できれば一社だけに見てもらって、すぐに施工をお願いするのではなく、2~3社程度に見積を依頼するのがベターです。一社だけだと本当にその施工店が正しい事を言っているのか、金額が適正なのかを見極めるのが難しいです。雨漏りの補修はピンキリですので、比較をすることで損をしないで済むケースが多いです。
②丁寧に時間をかけて調査を行っているか
雨漏りの補修は、原因の特定がとても大切です。原因がしっかりと特定できていない中で、施工をしても正しい補修はできません。ただ、雨漏りの原因特定はプロでもわからない場合も箇所によってはあります。
その場合は長期的にその都度補修をしていくというケースもありますので、しっかりと調査をした上で丁寧に説明をしてくれる施工店にお願いするようにしましょう。
費用を抑えるために知っておきたい2つのポイント
先程もお伝えしておりますが、雨漏り工事はピンキリです。それでもできるだけ無駄な出費は抑えたいですよね。
もちろん、安くてもしっかりと直してくれなければ意味がないですが、悪徳業者の中には、雨漏りの補修がピンキリなのを良い事に、高額の補修工事を提案してくる場合もあります。そういったことで損をしないようにしましょう。
相見積もりを取って比較をする
1つの施工店だけに見てもらってそのまま、施工をお願いするのはベストな施工店選びではないかもしれません。もちろん信頼できる知り合いの施工店かもしれませんが、業者によって、得意の施工内容は異なります。
塗装が得意、屋根が得意、コーキングが得意など、業者によって様々です。
なので相見積もりを取って比較をすることが重要です。相見積もりを取るためにはポータルサイトを活用するといいでしょう。もちろん自分で知っている業者があれば、そことの比較という形でポータルサイトを使っても問題ありません。
当社が運営する外壁塗装の窓口でも、雨漏りの無料相談を24時間フリーダイヤルで受け付けております。雨漏り補修に強み優良加盟店が全国におりますので、気軽に相談をしてみてください。
火災保険の活用も検討しましょう
火災保険の加入されている方は火災保険が適用できる可能性があります。火災保険は台風などの自然災害でお家が破損し、工事が必要になった際に適用されます。実際には自然災害による直接的な被害でない場合でも、火災保険の適用ができたというケースもあります。
施工店によっては、火災保険の申請のお手伝いをしてくれるところもありますので、その辺りも相談してみましょう。
【番外編】賃貸物件やマンションで雨漏りした場合はどうする?
こちらでは番外編という形で、賃貸やマンションにお住まいの方で、雨漏りを発見した際にどうしたらいいのかわからない方に向けて、どういった対処法があるのかをご紹介していきます。
オーナーさんに連絡をし、今後の流れを確認する
発見したら、まずはオーナーさんに状況を連絡し、対応について確認しましょう。
雨漏り箇所の写真を取っておく
証拠を残しておくという目的で写真を取っておきましょう。家財が使えなくなってしまったなどの被害が出た場合は、交渉材料として使うことができます。また保険を適用するとなった際にも証拠として残しておけるので写真は必ず残しておきましょう。
応急処置をする
必要に応じて、応急処置をし雨漏りを止めます。方法については、記事の対処法を参考にしてみてください。
応急処置の後は信頼できる業者に修理を依頼しましょう!
雨漏りをしたからといって、焦る必要はありません。自分で必要な応急処置をし、プロに修理をしてもらえば、大事には至らないケースがほとんどです。
雨漏りを発見したにも関わらず、放置をしてしまうと二次災害のリスクも高まりますが、基本的にすぐに対処をすれば大丈夫です。
適切な対処をして、大事なお家を長持ちさせましょう!
記事の監修責任者後藤拓夢
前職はブライダル業界向けの広告営業に従事。 より多くの方々に、自分の手掛けたサービスを活用してもらいたい!と思いドアーズに入社。 現在は、「外壁塗装の窓口」のメディア運営を行い、年間30,000人のエンドユーザーと全国4,000社以上の優良加盟店との最適なマッチングを実現する。
自分でコーキングを補修される方も多くいらっしゃいますが、正直あまりおすすめできません。というのも、自分でコーキングを打ち替えたり、増し打ちをされていらっしゃる多くの場合、多少の不備があり、再度業者が打ち替えるというケースがほとんどだからです。自分でやることでお金もかかってしまうので、基本的には簡単に応急処置をした後に、業者に依頼するのが良いでしょう。