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サイディングの厚みの違いを徹底比較|○○な方には○○㎜がオススメ!

サイディングは厚ければいいというわけではありません

こんにちは。外壁アドバイザーの麻生です。

サイディングの厚みには種類があると言われても、なかなかピンと来ませんよね。
この記事を読まれている多くの方も以下のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

「新築の外壁材でサイディングを検討しているが、そもそも厚みに違いがあるを知らなかった。」
「違いがわからないので、選ぼうにも選べない。ただ自分に合ったものをチョイスしたい。」
「壁の張替えを検討しているが、どの厚みが自分の家に合っているのかわからない。」

そもそもサイディングの厚みに種類があったことも知らなかった方も多いのではないでしょうか。
違いを理解したうえで、「自分の希望に合ったものを選びたい!」という方もいらっしゃると思います。

この記事は、サイディングの厚みの種類から施工方法、それぞれのメリット・デメリットを把握して、自分のお家にあった厚みはどれなのかを理解することを目的としています。
それぞれの厚さでメリット・デメリットがありますので、一概に「厚ければいい」というわけでもありません。

正しく理解をして、自分の希望に合ったものを選べるようにしていきましょう。

そもそもサイディングとは

サイディング

まずはサイディングとはどういうものなのかを説明していきます。
サイディングとは、外壁材の種類の名称です。
日本の一般的な戸建住宅の約7割はサイディングの壁が使われていると言われており、非常に普及している人気の外壁材です。

簡単にどういうものかを説明すると、建物の外壁に貼る板のようなものです。
その板(サイディング)が作られている素材もいくつか種類があり、その素材によってサイディングも種類がありますので、そちらについては後程説明します。
一旦ここでは、「サイディング=外壁に貼る板」という形で覚えておきましょう。

それ以外の外壁材としては、

  • モルタル
  • ALC
  • タイル
  • 漆喰
  • ジョリパット

などが使われております。
モルタルなどは壁に塗るタイプ(湿式)の外壁材で、サイディングは壁に貼るタイプ(乾式)と理解すれと違いがわかりやすいかもしれません。

サイディングの施工方法

こちらではサイディングの2種類の施工方法について解説していきます。
またサイディングの留め方も2パターンあり、厚みによって施工方法が異なりますので、そこも理解していきましょう。
施工方法の違いがわかることで、サイディングの厚みによる違いが少しずつ見えてきます。

2種類の施工方法

サイディングの施工方法は、

  • 通気工法
  • 直貼り工法

の2つがあります。

大きな違いとしては、「通気層」と呼ばれる空気の通り道があるかどうかがポイントです。
名前の通り、通気工法ではこの通気層があります。
通気層には外壁材と間柱の間の湿気を逃がす効果があるため、柱や外壁材が内側から腐ってくるというリスクを軽減する効果があります。

通気工法

一方の直貼り工法というのは、防水シートの上にサイディングを直接貼る施工方法です。
通気層を確保する手間がなく、比較的コストが掛からないのが特徴です。
ただ外壁材内部の結露した水分の逃げ場がないため、内部から外壁が劣化し、表面の剥がれなどにつながってくるケースがあります

直貼り工法

外壁アドバイザー

麻生

現在の新築の戸建て住宅のほとんどは通気工法が使われており、外壁内部の湿気に弱い直貼りはかなりマイナーになってきました。室内の温度を一定に保つ断熱材が普及し、外と中の温度差が生まれたことで、外壁内部に結露が発生するようになったことが要因となっています。

サイディングの2つのパターンの留め方

施工方法について、通気工法と直貼り工法の2つがあることはわかりました。
加えて、サイディングの留め方にも2種類あります。
それが「釘打ち」と「金具留め」です。

実は、このサイディングの留め方と厚みには深い関係があります。
まず釘打ちはその名前の通り、サイディングの上から直接釘を打ち留めていくやり方です。
釘打ちは厚いサイディングには不向きで、釘を打ったところが劣化し、割れてくるとその箇所からの雨漏りにつながるため、現在はそこまで使われていません。

一方で、現在の主流は金具留めとなっています。
金具留めとは、サイディングの内側から専用の金具で引っかけるような形で外壁材を固定するやり方です。
サイディングの厚みに左右されず、釘を外から打ち込まないので、耐久性も比較的優れています。

サイディングの種類

サイディングと言っても実際は様々な種類があり、作られている素材などによって特徴がそれぞれ大きく異なります。ここでは市場で流通している4種類を説明するので、自分が実現したい家を想像しがら読んでみてください。

窯業系サイディング


窯業サイディング

窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、現在の日本の新築戸建住宅の約7割で使用されていると言われている外壁材です。セメントが主な原料で、繊維質と混ぜて作られているものです。
豊富なデザインが選べることと施工の手間が掛からないため、コストパフォーマンスが良いことが特徴です。

金属系サイディング

金属サイディングは文字通り、金属で作られたサイディングです。
表面には、「ガルバリウム鋼板」や「塗装ステンレス鋼板」が使用されています。
軽量のため建物自体に負担がかかりにくいため、カバー工法や張替えの際に使用されることが多い外壁材です。
また、近年ではデザインのラインナップが増えてきていることや、耐久性の良さ、メンテナンスをあまり必要としないという点から、人気が出てきているサイディングです。

木質系サイディング

木質系サイディングは、木材を主原料として作られた外壁材です。
特徴としては、やはり木を活かしたデザインです。
窯業系サイディングにも木目調のデザインがありますが、やはり本物の木を使用した木質系サイディングにしか出せない、独特の良さがあります。

ただし木質のため、比較的水に弱い傾向があり、こまめなメンテナンスが必要となります。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディング

アメリカなど、北米地域ではメインで使用されているのが、樹脂系サイディングです。
塩化ビニル樹脂を使用しており、軽量でシーリングを使用しないで施工ができるのが特徴です。
耐久性も良く、約30年程度メンテナンスが不要なものが多くあります。
しかし、日本でのシェアは約1%となり、そこまで取り扱いがないため、コストが比較的高くなってしまいます。

厚みの種類とそれぞれのメリット・デメリット

ここまで、そもそもサイディングがどういった外壁材なのかを解説してきました。
ここからは、本題のサイディングの厚みについて解説をしていきます。
厚みの種類は主に3つで、それぞれ特徴が異なります。
特徴や違いを理解できれば、自分の希望に合ったものを選ぶだけです。

業者によっては、自分たちが売りたいものをよく見せて薦めてくる場合もありますので、しっかりと自分でもそれぞれの特徴を把握しておきましょう。

14㎜

一番薄いものが14㎜のサイディングです。
以前は12㎜のサイディングも使われていましたが、規格の改正が行われたため現在では14㎜が最薄となります。
留め方としては釘止めが主流となっています。
また釘止めは15㎜以上のサイディングでは厚さの問題でできないため、現在では釘止めができる唯一の厚みが14㎜となります。

メリット

価格が安く抑えられることが大きなメリットとなります。厚みが薄い分材料の原価が抑えられるので、コストを抑えることができます。

デメリット

外壁材に直接釘を打ち留めているため、近くで見た際の見た目が多少悪くなってしまうのが特徴です。
また、最近ではシェアが減ってきており、どんどん種類が少なくなってきているので、デザインのレパートリーが少ない傾向があります。

外壁アドバイザー

麻生

14㎜は価格が比較的安い事から、工場や倉庫などで使用されるケースが多いです。以前は一般戸建住宅でもかなり普及していましたが、現在の新築ではあまり使用されなくなってきているのが実情です。

16㎜

現在、サイディングの中で最も使用されている一般的な厚さです。
こちらは15㎜以上なので、釘を使って留めるのではなく、金具留めで取り付けられます。

メリット

様々なデザインから自分合ったものを選ぶことができるのは16㎜の大きなメリットです。最もポピュラーな厚さですので、ラインナップが豊富なのが特徴です。また費用も割とリーズナブルです。

デメリット

そこまでデメリットはないですが、強いて言えば、厚みのあるデザインは16㎜では難しいことがあります。
深掘りのなどのデザインは厚みが必要なため、16㎜では表現できない場合もあります。

18㎜・21㎜

18㎜以上のサイディング壁も存在します。
そこまで一般的には使用されていませんが、厚みがあることを活かした、深掘りなどのデザインを選ぶことができ、高級感を出すことができます。
耐久性や耐火性には優れていますが、正直16㎜以上ではそこまで大差はないでしょう。

メリット

やはり深掘りのデザインを選ぶことができるのが大きなメリットとなるでしょう。
厚みがある分、凹凸をしっかりと表現することができるため、デザインにこだわることができます。
また16㎜と大きな差はないですが、耐久性や耐火性も高いのが魅力です。

デメリット

厚みがある分、使用する原料も多くなることで、どうしてもコストが高くなってしまいます。

外壁アドバイザー

麻生

18㎜以上のサイディングは比較的金額が高くなってしまう傾向がありますが、割と人気がある厚みです。理由はその厚みならではデザイン性です。厚みを活かした高級感のあるデザインでお家をかっこよく見せることができます。多少予算に余裕がある方は検討してみるといいと思います。

希望別!おすすめの厚み

ここまでで、それぞれの厚みの特徴とメリット・デメリットを見てきました。

その上でこちらでは、どのような厚みがおすすめなのか、それぞれの状況に合わせて紹介していきます。
「それぞれのいいところはわかったけど、選ぶのが難しい」
という方もこちらを参考に、自分に合った厚みのサイディングを選べるようにしましょう。

とにかく安くして価格を抑えたい!コスパを重視したい方は14㎜

14㎜のサイディングは以前は新築の戸建でも主流でしたが、現在ではそこまで新築には使われておりません。
しかし、だからと言って耐久性に大きな問題があるというわけでもありません。
しっかりと施工すれば、外壁材としては十分長持ちします。
コスパを重視で壁の価格を抑えたい方は、14㎜がおすすめです。

コスパも耐久性もデザインも重要!バランスを重視したい方は16㎜

コスパは大事だけど、耐久性が高い外壁材の方が安心。デザインもこだわりたい、という方は16㎜がおすすめです。
最も一般的な厚みで、ラインナップは豊富。リーズナブルで、耐久性や耐震性も十分です。
全てにおいてバランスと言われているのが16㎜です。
迷ったらとりあえずこれにしておけば安心と言えるでしょう。

おしゃれで高級感のあるお家にしたい!デザイン性を重視したい方は18㎜・21㎜

18㎜を選ぶ最大のメリットはやはりそのデザイン性です。
厚みがあるからこそ、16㎜には表現できない高級感や深みを出すことができます。
せっかくのマイホームだから、とことんデザインにもこだわっていきたいし、そこに投資は惜しまないという方には18㎜以上のサイディングがおすすめです。

【番外編】このようなケースは要注意!サイディングの施工不良事例

こちらでは番外編として、サイディングの施工不良の事例をご紹介していきます。
最後まで読んでくださっている方の多くは、これから新居を建てる、またはサイディングの張替えをする方だと思います。

以下のような事例が自分のお家の工事が当てはまっていない確認しましょう。
もし、このような事象が見受けられるようであれば、すぐに業者に確認をした方がいいでしょう。

①サイディングの繋ぎ目に段差が見られる

サイディングは板のようなものを壁に貼る外壁材ですが、その板と板の継ぎ目には必ずコーキングがしてあります。
このコーキングを挟んで、2つの板を横から見たときに段差がある場合、それは業者の怠慢による施工不良の可能性が高いです。

厚さの違うサイディングを使用する場合もありますが、そのケースでも、外側に段差ができることは基本ありません。
もしそのようなものを発見した場合は、すぐに確認をするようにしましょう。

②コーキング箇所に隙間がある

これもよくある施工不良の事例です。
サイディングの板の間のコーキングや、壁と窓枠の間のコーキングがしっかりとされておらず、隙間が見られる場合は、すぐに業者に確認をしましょう。

③サイディングの板が凹っと出っ張っている

縦横のサイズがしっかりと合っておらず、無理にサイディングの板をはめた場合、あとからサイディングが凹っと突き出してしまうことがあります。
これは施工不良の場合と自然災害などの影響で出てしまうことがあります。
ただ、新築の段階でそのようなものが見られる場合は、業者に確認をするといいでしょう。

それぞれの違いを理解して自分の希望に合ったサイディングを選びましょう

サイディングは種類が豊富だからこそ、選ぶのが難しい外壁材です。
厚みの違いを理解することで、自分に合ったサイディングを選ぶことができます。
これを読んでいただいた皆さんは、サイディングの厚みによる違いをしっかりと理解ができたと思います。
皆さんが目的や予算に合わせた正しい選択ができれば幸いです。

記事の監修責任者麻生康博

これまで不動産業、パーソナルトレーナーとさまざまな形でお客様の「理想」を叶えるための営業職を経験。 現在は「外壁塗装の窓口」でマネージャー職に就き、年間30,000人以上のエンドユーザーのサポートを行いリフォーム工事業界での「理想」を提供している。